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ユニセフ海外物資

本日(23日)午後、デンマーク・コペンハーゲンのユニセフ物資供給センターから、「箱の中の学校」と「箱の中の幼稚園(早期幼児開発キット)」、レクリエーション・キットの第一便が、成田空港に到着しました。

自然災害などの被災地では、子どもたちがストレスや恐怖を内に抱えてしまうことが多く、その心理社会的な支援(「こころのケア」)が重要です。ユニセフは、世界各地のこうした現場で、水や衛生、予防接種などによる感染症対策などの緊急支援と並行して、子どもたちの「こころのケア」のために、学校や幼稚園活動の再開、そして子どもたちの「仕事」でもある、「遊び」の機会を確保することも優先課題のひとつとして取り組んでいます。その中で重要な役割を果たすのが、箱(ジェラルミンのケース)を開ければ、どんな場所でも学校活動や幼稚園・保育園活動ができるよう、幼稚園や保育園で使われる知育教育玩具をセットにした「箱の中の幼稚園」、スポーツ用品やぬいぐるみなどの玩具をセットにしたレクリエーション・キット、そして、80人分の文房具や黒板用のペンキなどをセットにした「箱の中の学校」なのです。

© 日本ユニセフ協会
「今回、このような形で協力できて大変嬉しく思っています。被災者の方々に早く届けられることを願っています」と語るのは、今回の物資輸送に、無償で協力してくださった、株式会社日本航空広報部の志賀さん。

成田に到着した3種類のキットは、24日に通関手続きが終了した後、宮城県をはじめとする被災各地に送られ、25日(木)には、応援に駆けつけてくれたユニセフの日本人専門家の助けを得ながら、避難所などで子どもたちにお披露目される予定です。日本ユニセフ協会では、地元自治体をはじめとするパートナー団体のみなさま、そして被災地の子どもたちの声を伺いながら、こうした支援物資の提供を核にした本格的な「こころのケア」支援の展開、そして学校活動、幼稚園・保育園活動の再開を支援してまいります。

お母さんと赤ちゃんのケアの重要性

現地入りしているユニセフ・ソマリア事務所の國井修医師は、22日、仙台から車で3時間ほど離れた気仙沼市の被災地を訪問。募金や広報の面でユニセフを長年にわたって支えてくださっている日本ユニセフ協会のパートナー団体の立正佼成会の方々が、独自に救援活動を行っていらっしゃる避難所などを訪問しました。

© 日本ユニセフ協会/2011/k.shindo
震災による津波の影響で民家に押し寄せたJR気仙沼線の線路。

気仙沼市内の学校の多くが避難所として使用されているため、学校再開の目処は今のところ立っていません。状況は刻一刻と変化しており、被災地の状況を正確に把握することは難しい状況です。

国井さんは、現在約1000人の方が避難生活をおくる最も大きな避難所のひとつ、気仙沼市総合体育館(ケーウェーブ)では、授乳中の女性20名と面会。「母乳育児を実施していたお母さんはわずか1名で、哺乳瓶を利用している方が多く見られました。」「このような災害時、往々にして適切な衛生環境を保つことが難しくなります。保健や衛生面の問題が懸念されます。」と國井さんは伝えています。國井さんは、現在、母乳育児の促進も含めたお母さんと赤ちゃんのケアの支援をはじめるため、県内外の医療専門家の団体などとの連携体制づくりを急いでいます。

子ども用の肌着は、岩手と女川に

22日に仙台に到着した子ども用の肌着20万枚は、23日夕方、宮城県女川町の避難所、明日24日には、岩手県内の避難所に届けられる予定です。

こうした救援物資による支援活動が続く中、23日には、東京のユニセフハウス内に設置された「東日本大震災緊急支援オペレーションルーム」には、世界各地のユニセフの現場で活動する日本人専門家が続々と到着。休暇のために一時帰国中だった専門家の方々も駆けつけてくださいました。

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